学会要旨

今月末に迫った国際学会発表提出用の研究要旨を書いている。審査に通過しても発表は一年後のことなので、まだ実は具体的な内容は本人でもわからないところだが、なんとか書き上げて午前中に友人のVT先生にメールで送った。

VT先生はシンガポール出身だが、高校、大学、大学院とイギリスで過ごし、英文ライティングを見る目は確かなので、最近はいつもお願いしている。前の大学の同僚で、同じ時期に同じ県内の別の大学へ移ったので、今でもよく会って食事を一緒にする。今日はV先生行きつけの大学近くの中国料理店浜木綿で遅いランチを食べながら、その時にチェックしてもらったライティングを返してもらった。

特に文法的な間違いはなかったが、見るといつものように真っ赤に直してあった。英語の論文を書くときは、単語や文法に間違いがないのはもちろんだが、いかに自然な表現が使えているかは非常に重要だ。それがまたノンネイティブには非常に難しい。

イギリスでPhD論文まで書いてまだ完全な英語が書けないのは恥ずかしい限りだけど、ネイティブが自然に何10年もかけて身につけてきた何万という表現に追いつくことは並大抵ではない。「学校文法を使って英語を書く」というのは、いわば簡略版を使っているようなものであって、用は足すけれども完全なものではない。

もちろん最近の"World Englishes"の考えを持ち出すまでもなく、ネイティブの英語をただ追いかけるのが必ずしも正しいわけでもない。ただ、「ライティング」というのは「スピーキング」に比べると、非常にコンベンショナルでコンサバティブなものなのだ。