留学の目的

2004年05月30日(過去の日記)

「留学の目的」というと、誰もが明確なようで意外とはっきりしてないものじゃないかな、という気がします。僕の場合なら、最終的に博士号(PhD)を取得することに違いないですし、マスターの人なら修士号ということでいいのでしょうが、実際には誰もがそれにプラスα、なんらかの目標を持って留学に望んでいるのだと思います。

それは具体的にどれくらい英語の力をあげる、ということかもしれませんし、あるいは、いい成績を取って進学するということかもしれません。また、将来の就職のためのステップとして考えている人もたくさんいると思います。その一方で、もちろんもっと漠然とした目標を持っている人もけっこう多いかもしれません。結構長い間働いたので、一つの転機になればということで留学する人もたくさんいます。

いずれにせよ、個人的に大事だと思うのは、1年なり2年経って留学生活が終了したときに「自分の留学の成果」を評価するのは他の誰でもなく、自分以外にない、ということです。

もちろん当初の目的が達成できたかどうかということも大事ですが、それができなかったとしても、また、留学中に考えが変わって違うことに興味を持ったとしても、全然悪いことではないと思います。

たくさんの日本人とこちらで知り合って、留学後も連絡を取り合うことがよくありますが、どの人にも共通しているのは「留学の経験」が直接的・間接的によい影響を与えているということです。

僕自身、日本に帰ってイギリスに留学してると言うと、とかく遊んでいるように見られがちです。周りの人は、とにかく具体的な成果を聞きたがります。それがなければ、働く年齢になってまで留学する価値なんてないんじゃないか、という勢いです。

でも正直言って、一年くらいで具体的な成果を出すなんて簡単なことじゃないし、その留学が成功かどうかなんていうのは、本人にしか判断できないことじゃないかなと思います。

僕は、留学を決意した時の気持ち(あるいは決意できなかった気持ち)を尊重したいと思うし、留学後にどのような道に進めことになっても、絶対的な正解はないわけですから、きっとその選択が自分にとってはベストなんだと信じるしかないじゃないかな、と思います。