ロッド・エリス・セミナー・イン・オオサカ

Distinguished Lecturer Series
Current Perspectives on Task-Based Language Teaching
Dr Rod Ellis (University of Auckland)
@Temple University Japan Osaka Centre
23-24 February

この数年、東京と実家のある京都には何度となく出かけるが、大阪にはほとんど行くことがなかった。振り返ってみれば、大学に行く前の一年間、そしてマスターでイギリスに留学する前の約半年間は毎日のように大阪に行っていたのだった。その意味では、将来に対する漠然とした不安を抱えた時期と大阪の町並みが記憶の中でつながっている。

そうやって通算18か月くらいは通っていたことになるし、そもそも京都から近いこともあって小さい頃から何度も足を運んでいたにもかかわらず、久しぶりの大阪は少し遠い世界のような違和感を感じた。保守的で、少し距離を取ろうとする名古屋の雰囲気に慣れていると、大阪は、新幹線でわずか一時間という距離にもかかわらず、なんだか別世界のように感じられた。

さて、今回大阪に来たのは、第二言語習得の大御所であるRod Ellisのセミナーに参加するためだった。2日間のセミナーで、1日目は一般にも無料でオープンされ、希望すれば2日目は有料で受けることができる、というものだった。休憩時間も含めると二日で14時間という集中講義で、風邪気味のため若干の不安はあったものの、せっかくの機会なので行けるところまで行こうと参加した。

今回の講義内容はtask-based teachingについてあまり知らない受講生向けのための概論という形をとっていた。なので、ほとんど既に知っていることだったけれど、セミナーを通して、頭の中に断片的に広がっていた知識が"task"という一本の核を中心にまとまっていくのが感じられ快感だった。同じ内容でも、本で読むのと、実際に話を聞くのでは、全くこちらの理解が違ってくる。

たくさんのハンドアウトとリーディングパックとともに、今回のセミナーで今後の研究・教育に向けてたくさんのインスピレーションを得た。"task"を専門にしながら、またそれでPhDを取りながら、その本質を十分には理解していなかったのではないだろうか?たった二日ではあるが、4月からの新しい船出を前に、また大きなきっかけを得られた大阪で得ることができ、不思議な縁を感じる。

Ellisの迫力に圧倒され、長いはずのセミナーもあっという間で、その間は全く疲れも感じず集中することができた(さすがに終った時には、疲れがどっと出て、風邪もぶり返してしまったけれど)。それにしても何よりもすごいのは、2日間全く疲れも見せず話し続けたProfessor Ellis。本当にすごい。「一流」とはこういうことを言うのであろう。そのエネルギーを目の当たりにしたこともまた貴重だったと思う。